第一種動物取扱業の登録申請に必要な書類

第一種動物取扱業の登録申請をしようとする際、「何を揃えればよいのか」で迷う事業者の方は少なくありません。
必要書類には、法令が全国共通で定めているものと、自治体が独自に求めているものとがあります。
この記事では、第一種動物取扱業の登録に必要な書類を、「なぜ必要なのか」という点も踏まえて整理してご案内します。

この記事を読んでわかること

  • 必要書類の全体像(添付書類・申請書の記載事項・自治体の上乗せの違い)
  • 個人と法人で必要書類がどう変わるか
  • 種別・取扱動物によって追加される書類

目次

動物取扱業の登録に必要な書類の全体像

第一種動物取扱業の登録の際に必要となる書類は、法的な位置づけによって、大きく以下の3つに分けて理解すると整理しやすくなります。

  • 動物の愛護及び管理に関する法律施行規則(以下「施行規則」)第2条第2項各号が定める添付書類
  • 動物の愛護及び管理に関する法律(以下「動物愛護管理法」)第10条第2項各号が定める申請書の記載事項とその裏付け資料
  • 施行規則第2条第3項に基づき都道府県知事が必要と認めて追加する自治体の上乗せ書類

以下では、東京都で第一種動物取扱業の新規登録申請をするという仮定で、それぞれの書類がどの分類に当たるかを示しながら解説します。


全種別共通で必要な書類(施行規則第2条第2項)

施行規則第2条第2項は、種別を問わずすべての第一種動物取扱業の登録申請に共通して必要な添付書類を、次の4つに定めています。

書類根拠
法人の登記事項証明書(法人申請の場合のみ)施行規則第2条第2項第1号
申請者(法人の場合はその法人及び役員)・事業所の業務統括者が欠格事由に該当しないことを示す書類施行規則第2条第2項第2号
動物取扱責任者が欠格事由に該当しないことを示す書類施行規則第2条第2項第3号
飼養施設の平面図・付近の見取図(飼養施設を設置する場合のみ)施行規則第2条第2項第4号

上記表の2番目と3番目の書類は、いずれも動物愛護管理法第12条第1項第1号から第7号の2までに掲げる欠格事由に該当しないことを示す書類です。
東京都の申請では、この2つの書類は同一の様式を、申請者用と動物取扱責任者用とでそれぞれ作成して提出する運用となっています。


個人と法人で異なる点

申請者が個人か法人かによって、必要になる書類が異なります。

書類個人法人
法人登記事項証明書不要必要
役員の氏名及び住所不要必要

法人登記事項証明書は、施行規則第2条第2項第1号が定める添付書類であり、法人が申請する場合にのみ必要です。
役員の氏名及び住所は、動物愛護管理法第10条第2項第7号の委任を受けた施行規則第2条第4項第2号が定める申請書の記載事項です。
申請書そのものには役員全員分の氏名・住所を記載する欄がないため、実務上はこれらを記載した書面を別途提出する運用となっています。
役員の氏名・住所を記載した資料は、施行規則第2条第2項第2号が定める「法人の役員が欠格事由に該当しないことを示す書類」とは別の書類ですので、混同しないようご注意ください。

申請者本人だけでなく、法人の役員や事業所の業務統括者(施行規則第3条第6項が定める使用人)も、欠格事由の確認対象に含まれます(動物愛護管理法第12条第1項第8号・第9号)。
動物取扱責任者になれる方の条件は「動物取扱責任者の条件|資格・実務経験を整理」、欠格事由の詳細は「動物取扱業の登録拒否事由(欠格事由)一覧」であわせてご確認ください。


種別・取扱動物によって追加になる書類

営もうとする種別や取り扱う動物の種類によって、申請書に記載・添付する内容が追加されます。

書類対象種別根拠
第一種動物取扱業の実施の方法販売業・貸出業動物愛護管理法第10条第2項第4号
犬猫等健康安全計画犬猫等販売業動物愛護管理法第10条第3項第2号、
施行規則第2条の2
ケージ等の規模を示す平面図・立面図犬又は猫を取り扱う場合施行規則第3条第2項第9号、
基準省令第2条第1号ロ

1番目の「第一種動物取扱業の実施の方法」は、動物愛護管理法第10条第2項第4号が定める「その種別に応じた業務の内容及び実施の方法」という申請書の記載事項であり、様式第1別記として申請書の一部を構成します。
記載する内容は、第一種動物取扱業者及び第二種動物取扱業者が取り扱う動物の管理の方法等の基準を定める省令(以下「基準省令」)第2条が定める基準(ワクチン接種証明書の交付、離乳後の販売、事前説明と書面交付など)に適合している必要があります。
この基準への適合は、施行規則第3条第1項第2号・第3号が定める、第一種動物取扱業の登録の可否を判断するための基準となります。

2番目の犬猫等健康安全計画も同様に、動物愛護管理法第10条第3項第2号が定める申請書の記載事項です。
記載すべき事項の細目は施行規則第2条の2に定められています。

3番目のケージ等の規模を示す平面図・立面図は、犬又は猫を取り扱う場合に、飼養施設の構造・規模に関する資料として必要になります。
第一種動物取扱業の登録の基準を定める施行規則第3条のうち、第2項第9号では犬又は猫の飼養施設は基準省令に定める基準に適合している必要があるとしています。
基準省令では、犬又は猫のケージ等について具体的な基準を定めており、その基準に適合していることを確認するための疎明資料として、ケージ等の規模を示す平面図・立面図が必要となります。

種別や取扱動物によって必要となる記載・添付の内容は複雑になりやすいため、判断に迷う場合は管轄行政庁への事前相談をおすすめします。


東京都の上乗せ書類:動物取扱責任者研修修了証の写し

動物取扱責任者研修は、動物愛護管理法第22条第3項により登録後も継続して受講する義務として定められています。
施行規則第2条第2項が定める添付書類にも、研修修了証の提出は列挙されていません。
一方、都道府県知事は施行規則第2条第3項により、法令が定める書類のほかに必要と認める書類の提出を求めることができます。
東京都はこの規定を踏まえ、東京都動物の愛護及び管理に関する条例第13条により、申請時点で動物取扱責任者研修を受講済みであることを証する書類(修了証の写し。前年度以降のもの)の添付を独自に求めています。
法令上は「登録後に受ければよい」研修が、東京都では「申請の時点で既に受けていること」を求められる、ということになります。
この扱いは東京都独自の上乗せであり、他の自治体では申請時点での受講が不要な場合もあります。
申請を予定する自治体の運用を事前にご確認ください。


土地・建物の権原を証明する書類

事業所及び飼養施設の土地及び建物について、事業の実施に必要な権原(所有権・賃借権等)を有していることも、申請にあたって必要となる情報です。
これは、動物愛護管理法第10条第2項第7号の委任を受けた施行規則第2条第4項第3号が定める申請書の記載事項です。
この記載事項を裏付ける資料として、東京都では次のような書類の提出を求めています。

  • 原則として、不動産登記事項証明書(自己所有の場合)または賃貸借契約書の写し(賃借の場合)
  • これらの書類だけでは権原を証明できない場合に限り、補完的に次のいずれかの様式を提出
  • 場所使用権原自認書(様式1):自己所有だが不動産登記事項証明書で証明できない場合(未登記の建物や、飼養施設が自動車である場合など)
  • 場所使用承諾証明書(様式2):賃借だが、賃貸借契約書に動物取扱業を行う旨の記載がなく、契約書だけでは権原を証明できない場合

複数種別をまとめて申請する場合の書類の扱い

複数の種別(例えば「保管」と「訓練」)をまとめて登録したい場合、申請書は種別ごとに1通ずつ作成する必要があります。
一方、登記事項証明書や欠格事由に関する書類など、複数の種別に共通する添付書類は、種別の数だけ用意する必要はなく、1部で足ります。


まとめ

この記事では、第一種動物取扱業の登録に必要な書類を、法的な位置づけごとに整理しました。

  • 原則として、全ての申請で共通の添付書類
  • 申請書の記載事項を裏付ける資料(個人と法人の違い、種別・取扱動物による追加を含む)
  • 自治体の上乗せ書類(東京都の研修修了証の写しなど)

という3つの階層を意識すると、必要書類の全体像を把握しやすくなります。
動物取扱業の登録制度全体については「動物取扱業とは?営業の種別と第一種・第二種の違い」もご覧ください。

動物取扱業の必要書類まとめ

  • 必要書類は「法定添付書類」「申請書の記載事項の疎明資料」「自治体の上乗せ」の3つに分けて理解する
  • 法人は登記事項証明書・役員の氏名及び住所が追加で必要
  • 販売業・貸出業や犬猫等販売業では、実施の方法や健康安全計画の記載が追加される
  • 東京都では、申請時点で動物取扱責任者研修の修了証の写しが必要(自治体の上乗せ)
  • 複数種別をまとめて申請する場合、申請書は種別ごとに1通必要

なお、必要書類の内容は自治体の運用や個別の事情によって異なる場合があります。
申請前に、管轄行政庁への事前確認をおすすめします。


動物取扱業の登録に必要な書類の準備、漏れなく進められていますか?

必要書類は、法令が定めるもの・自治体が独自に求めるものが混在しており、個人か法人か、どの種別の営業を行うかによっても変わります。
書類の不備は登録手続の遅れにつながるため、事前の確認が重要です。

行政書士TLA観光法務では、必要書類の収集・作成代行から、登録申請全体のサポートまで対応しております。
書類の準備にご不安がある方は、下記お問い合わせフォームよりお気軽にご相談くださいませ。
あなたからのご連絡をお待ちしております。

動物取扱業の登録書類に関するご相談料金

対応内容報酬額(税込)備考
動物取扱業の登録に関する相談初回無料初回30分まで

※本記事は2026年8月時点の情報に基づいて執筆しています。
法令や行政庁の運用は改正される場合がありますので、最新の情報については管轄行政庁にご確認ください。

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