酒類販売業

色んなお酒の卸売をしたい!-全酒類卸売業免許

全酒類卸売業免許

お酒を販売するためには事前に税務署への免許申請が必要です。
免許の種類は大きく分けると小売業免許卸売業免許があります。

お酒を販売したい-酒類販売業のススメ皆さんは、お酒が好きですか? 私は好きですが、あまり飲めないタイプの人間です。。。 お酒好きの方の中には、自分が好きなお酒を仕入れて...

お酒の免許の世界では、「卸売」とはお酒の小売業免許を持っている事業者や、お酒の製造業免許を持っている事業者、同じく卸売業免許を持っている事業者に販売することを指します。
たとえば、飲食店や居酒屋に販売することを一般的には「卸す」といいますが、お酒の免許の世界では、飲食店や居酒屋に販売する行為は「小売」となり、小売業免許の取得が必要です。

少し最初からややこしかったですが、今回は、この卸売業免許の中でも「全酒類卸売業免許」について解説をしていきます。
また、併せて「ビール卸売業免許」についても解説をしていきます。
当事務所では、お酒の販売業免許のお手続きのご依頼をお受けしておりますので、ご相談やお問い合わせは遠慮なくお申し付けください。

TLA観光法務オフィスに問い合わせるお電話によるお問い合わせ お電話でのお問い合わせは、 03-5735-5157(担当:谷内田) 受付時間⇒平日午前10時~18...

全酒類卸売業免許の概要

1.全酒類卸売業免許でできること

全酒類卸売業免許は、酒類の販売免許の中でも「卸売」に特化した免許です。
酒税法上の卸売とは、
①小売業免許をもった事業者
②卸売業免許をもった事業者
③酒類製造免許をもった事業者
に対して、酒類を販売することのできるタイプの免許です。

なので、一般消費者や飲食店に対しての販売をすることができません

その中でも、名前の通り全酒類卸売業免許は原則として、全ての品目の酒類を取扱うことができます。
洋酒卸売業免許で扱うことのできない品目(日本酒や焼酎)について卸売をしようとするには、通常この全酒類卸売業免許を取得する必要があります。
なお、ビールについては「ビール卸売業免許」というビールの卸売専門の免許があります。

全酒類卸とビール卸はその免許を取得する条件が非常に似ているので、今回は併せて解説をしていきます!
基本的に、注釈が無い場合は全酒類卸の基準=ビール卸の基準となります!

要約すると…

全酒類卸売業免許は、
①お酒の免許(小売業/卸売業/製造業)を持っている事業者に対して
②すべての品目の酒類を販売すること
ができる免許です!

2.全酒類卸売業免許が必要な人

全酒類卸売業免許は、次のようなときには免許取得が必要です。

①とにかくいろんなお酒の卸売をしたいとき
②日本酒、焼酎等のその他の卸売業免許では販売できない品目を取り扱いたいとき

こういった場合には、免許申請をしましょう。

ビール卸売業免許は、ビールのみ取り扱うことが可能で、発泡酒は取扱うことができないのでご注意ください。
また、日本酒や焼酎を扱う場合であっても、自らが輸出入を行う場合には、輸出入酒類卸売業免許の取得が必要です。

自分で直接お酒の輸出や輸入を行いたい-輸出入卸売業免許お酒を販売するためには、事前に税務署への販売免許申請が必要で、大きく分けると小売業免許と卸売業免許があります。 https://y...

全酒類卸売業免許取得のための条件

1.人に関する条件

酒税法の10条には、免許を取得するために該当してはいけない条件が記載されています。
法律上はかなり細かく記載されているので、ここではかいつまんだ説明をいたします。
詳細な、あるいは正確な説明については、税務署の手引きや専門家へご相談ください。

まずは、人に関する条件についてです。

①免許の申請者が、過去に酒類免許(製造/販売)を取消されて3年経っていない場合
②過去に酒販免許を持っていた法人が免許を取消された場合で取消しの原因になった事実があった日以前の1年以内に法人の役員だった人が、その免許が取消されて3年経たずに免許申請した場合
③免許の申請者が、申請前2年以内に国税or地方税の滞納処分を受けている場合
④免許の申請者が、酒税法関連法令の規定で罰金を受け、または関税法等の規定で通告処分を受け、3年経っていない場合
⑤免許の申請者が、刑法等の規定で罰金を受け、3年経っていない場合
⑥免許の申請者が、禁錮以上の刑を受け、3年経っていない場合
⑦免許の申請者が未成年者で、未成年者の法定代理人が②、④~⑥に該当している場合
⑧免許の申請者が法人で、法人の役員が①、②、④~⑥に該当している場合
⑨免許の申請者が、①、②、④~⑥に該当している人物を販売場の支配人にしようとしている場合

要約すると…

免許申請の関係者に、過去に免許を取り消されたり、法令違反や税金の滞納をしていると、申請できません!

2.場所に関する条件

酒税法の第10条第9号に、免許を取得するための場所に関する条件が記載されています。

正当な理由がないのに取締り上不適当と認められる場所に販売場を設けようとする場合

具体的には、以下のような場合には免許を取得することができないということになります。

①申請をする販売場が、既に酒類免許を取得している製造場や販売場、あるいは消費者に酒類を飲料用として提供する居酒屋や飲食店と同一の場所にある場合
②販売場の区画割り、専属の販売従事者の有無、代金決済の独立性その他販売行為において他の営業主体の営業と明確に区分されていない場合

3.経営基礎に関する条件

酒税を納めるための経営基盤がしっかりしていないと免許を取得することができない、という趣旨の経営基礎に関する条件です。
酒税法の第10条第10号に記載されています。

酒類の販売業免許の申請者が破産者で復権を得ていない場合その他その経営の基礎が薄弱であると認められる場合

破産者で復権を得ていない場合
現在も国税や地方税を滞納している場合
③申請前1年以内に銀行取引停止処分を受けている場合
④酒税に関係のある法律に違反して通告処分を受け、それを履行していない場合orそれにより告発されている場合
⑤販売場が、建築基準法や都市計画法等の規定に違反していて、除却や移転を命じられている場合
⑥販売場で、酒類の適正な販売管理体制が構築されないことが明らかであると見込まれる場合
最終事業年度の貸借対照表の繰越損失が、資本等の額を上回っている場合
最終3事業年度のすべての事業年度で、資本等の額の20%を超える額の欠損が生じている場合

⑦と⑧の資本等の額は、貸借対照表上の「資本の部」の数字を使って計算します。
具体的には、
Ⓐ資本金」+「Ⓑ資本剰余金」+「Ⓒ利益剰余金」ー「Ⓓ繰越利益剰余金
が、「Ⓔ資本等の額」となります。
⑦については、最終事業年度の貸借対照表上、Ⓓ<0の場合で、Ⓓ>Ⓔとなる状態です。
一般的には「債務超過」と言ったりもします。
⑧については、過去3事業年度分の損益計算書上、当期純損失が計上されている場合で、各事業年度のⒺを計算して、当期純損失の金額がⒺ×20%を毎年超えている状態です。

⑨経験やその他の事項を考慮して、適正に酒類小売業を経営するための十分な知識や能力を認められる者又はこれらの者が主体となって組織する法人であること
⑩酒類を継続的に販売することができる資金や販売設備、施設などがあること。あるいは、必要な資金を持っていて、免許を取得するまでに設備や施設を準備することが確実視されていること

⑨の経歴や経験については具体的には以下の通りです。

1.酒類の製造や販売業の業務に直接従事した期間が10年以上or経営者として直接業務に従事していれば5年以上or調味食品等の卸売業を10年以上継続して経営しているorこれらの業務に従事した期間が相互に通算して10年以上
※申請等販売場が沖縄県の場合、10年とあるものは3年に読み替える

2.酒類業団体の役職員として相当期間帰属して勤務したことがあるor種類に関する事業や酒類業界に十分精通していると認められる

⑩の販売能力や所要資金についても、一定の基準が定められています。

【年平均販売見込数量】
申請等販売場での年平均販売見込数量は、100kl以上です。
ビール卸の場合は、50kl以上となります。

【設備】
販売見込数量を考慮して適当と認められる店舗、倉庫、器具、運搬車等の販売施設や設備を有し、又は有することが確実とみられる

【所要資金等】
月平均販売見込数量、月平均在庫数量、平均在庫日数、平均売上サイト、上記設備等を考慮して、全酒類卸売業を経営するのに十分と認められる資金等を有している

①~⑧の事項については、これに該当していないこと
⑨と⑩の事項については、これらの条件を満たしていること

という基準で免許付与の妥当性を判断することになります。

要約すると…

酒販免許は税金の確実な徴収が目的なので、資金繰りや決算面で不安がある事業者には免許が出ない可能性があります!
また、酒類卸売業免許では実務経験年数をしっかりと証明していくことが必要です。

4.需給調整に関する条件

需給調整については他の酒類販売免許と比べて、細かい条件が設定されています。

1.卸売販売地域

全酒類(ビール)卸売業免許の販売場の数と、全酒類(ビール)の消費数量のそれぞれの地域的な需給調整を行うために設定される地域単位で、都道府県を一単位として設定されています。

2.免許可能件数

全酒類卸売業免許もビール卸売業免許も、1年間で付与される免許の上限数が決められています。
これを免許可能件数といいます。
免許可能件数は、以下の計算式で計算をします。

<(卸売総数量※1-大規模卸売販売場※2の卸売数量)×増減率※3/販売基準数量※4>-(卸売販売場数※5-大規模卸売販売場数)

呪文かなんかに見えますよね。

※1販売総数量とは、卸売販売地域内にある卸売販売場の直近1年間の卸売販売数量のことです。
※2大規模卸売販売場とは、直近1年間の卸売販売数量が、全酒類卸では20,000kl以上、ビール卸では10,000kl以上の卸売実績がある卸売販売場のことです。
※3増減率とは、卸売販売地域内での直近1年間の酒類消費数量(製造&酒販業者の小売数量のこと。)の、その前の1年間の酒類消費数量に対する割合のことです。
※4販売基準数量は、全酒類が3,400kl、ビールが1,400klです。
※5卸売販売場数とは、卸売販売地域内にある卸売販売場のことです。

この計算式に数字を当てはめて計算を行い、出た数字の小数点以下を切り捨てたものが、その1年間に付与される免許の上限数です。
当分の間、免許可能件数が1に満たないときは1とする、ということにもなっています。

ただし、酒類の需給バランスや酒税の確保に支障をきたす場合には、免許を付与しないこともあり得ます

全酒類卸売業免許取得手続の流れ

1.事業計画の整理

税務署への事前相談を行う前に、まずはご自分がどういった内容の事業を行っていきたいのか、きちんと整理をしておくことが必要です。
どんなお酒を、どんなルートで仕入れて、どこに販売していきたいのか。
販売場所は決まっているのか、資金計画はどうなっているのか。

全酒類卸売業免許は、小売業者や他の卸売業者に対して広く酒類を販売することを想定しており、そのような販売先からの需要に対して応えるために、広範な種類の在庫を抱えておく必要があります。
ただ何となく色んなろんなお酒の卸売りをしたいから、ではなく、販路先の開拓方法や取引先の確保、あるいは多数の在庫を抱えることのできる倉庫の確保等、具体的な業務イメージを持ちながら事業計画を策定していくことが重要です。

また、ビール卸売業は発泡酒を取扱うことができないため、ビール卸売業の申請予定者が発泡酒も併せて卸売をしたい場合は、洋酒卸売業免許も併せて申請をする必要がありますので、ご注意ください。

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2.税務署への事前相談

事業計画が整理できたら次に、申請予定の販売場所在地を管轄する税務署の統括する酒類指導官がいる税務署宛に予約を入れて、事前相談を行います。
詳細については、国税庁のウェブサイトで確認をするようにしてください。
事前相談に対応してもらえる酒類指導官は適宜巡回をしているので、必ず事前に予約が必要です。

全酒類卸売業免許とビール卸売業免許の申請ができるのは毎年9月1日からなのですが、受付開始後にスムーズに申請をするためにも、事前にご相談されることをオススメいたします。

3.申請書類の作成

免許申請に向けて、必要な書類の作成に入ります。
それぞれの申請者のご事情により準備する書類も変わってきますので、必要に応じて酒類指導官のアドバイスを受けるか、あるいは酒類販売免許申請の専門家に依頼をしてみましょう。

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4.免許可能件数の公告

毎年9月1日(土日祝日の場合は翌月曜日)に、卸売販売地域内の各税務署の掲示板と国税庁ホームページに、その1年間の各卸売販売地域での免許可能件数が公表されます。

5.免許申請

全酒類卸売業免許とビール卸売業免許は、事前に一定期間を定めて申請を受け付けて、申請があった中から抽選を行い、審査の順位を決定して、免許可能件数に達するまで審査を行うという、他の酒類販売免許にはない独自の手続きの流れになっています。

9月1日(土日祝日の場合は翌月曜日)から9月30日(土日祝日の場合は翌月曜日)までのを抽選対象申請期間といって、この期間に提出された申請については、公開抽選の対象となります。
この時に提出する申請書類は、審査に必要な書類の一部を提出すればよいことになっています。

ちなみに、免許可能件数が公表される直前の7月1日~8月31日(土日祝日の場合は直前の金曜日)に受理された申請書類等は、9月1日に受理されたものとして扱われます。

6.抽選と審査順位の決定

抽選対象申請期間が過ぎた後、公開抽選の実施日時と抽選会場については、税務署から「免許抽選実施通知書」が送られてきて、その通知書で確認をすることになります。
この通知書は公開抽選会場への入場券になっていますので、無くさないようにしてください。

税務署が抽選の公平性を確保するという観点で、抽選を第三者立会いの下公開で行っております。
ですので、公開抽選そのものには出席をしなくても、その後の抽選結果や申請結果に影響することはありませんので、予定が合わないといったことがあれば、公開抽選会場に出向かなくても大丈夫です。

抽選で決定した審査順位については、公開抽選後速やかに税務署から書面で通知されることになりますので、そちらで確認をします。

7.申請書の提出と審査

公開抽選で決定した審査順位が、販売可能件数の範囲内である場合には、税務署から指定された期限内に、「5.免許申請」で提出をしなかった残りの申請書類一式を提出します。

残念ながら免許可能件数の範囲外となる審査順位になってしまった場合は、範囲内になっている申請者の申請が何らかの理由で免許不交付となる等、事後的な理由で免許可能件数の範囲内にならない限りは残りの書類を提出しても、審査はしてもらえません。
※そもそも、免許可能件数の範囲外であることを理由に受け取りを拒否されることがほとんどかと思います
万が一、審査順位が免許可能件数の範囲内になった場合には、税務署からお知らせが届くので、そのときには指定された期限までにすべての書類を提出するようにします。

一般的には審査が終了するまで2ヶ月と言われていますが、これは何も補正等が無い場合の標準期間になりますので、補正等で審査がストップすれば、それだけ審査期間が長引くことになります。

審査上必要があれば、追加の書類提出や販売場の現地確認を要求されることは十分にあり得ます。
適切な対応をしないことにより免許を付与されないということもありますので、こういったことをお願いされたときには快く対応するようにします。

8.免許の付与

審査の結果、免許が付与される場合も、付与されない場合も、税務署から通知書面を受け取ります。
免許が付与された際には、登録免許税として、販売場1箇所につき9万円を納付する必要があります。
もし小売業免許を持っていて、条件緩和申請をして卸売業免許も取得するような場合には、登録免許税は6万円となります。
登録免許税を支払い、その領収書を提出したうえで、免許通知書を受け取ることになります。

全酒類卸売業免許取得までに必要な費用

全酒類卸売業免許/ビール卸売業免許の申請にあたって、免許が付与された際に、免許1件(販売場ごと)につき9万円の登録免許税を納付する必要があります。
酒類販売免許は、販売場所ごとに免許が出る仕組みになっているので、たとえば同一法人で複数場所を同時に申請したとしても、申請場所ごとに登録免許税を納付しなければなりません。

その他、酒類の仕入れや在庫の確保、販売場の賃貸まで考えると、数十万円~100万円程度のキャッシュは抱えていた方が、事業継続をしていくという意味では安全運転できるかと思います。
特に全酒類卸売業免許はその性質上、多数の在庫を抱えることになるため、運転資金についてはかなり余裕をもって確保しておいた方が良いでしょう。

なお、全酒類/ビール卸売業免許の申請手続を弊所にご依頼いただく場合は、下記のとおりです。

手続内容 料金(税別) 備考
初回相談(30分~1時間) 無料
全酒類/ビール卸売業免許申請手続
※着手金(審査順位確定前)
5万円 別途登録免許税9万円
全酒類/ビール卸売業免許申請手続
※本申請に係る報酬
10万円

 

まとめ

酒類販売免許は、申請すれば誰でも免許を取得できるものではなく、事業計画や資金繰り、これまでのご経歴によってその可能性が変わってきます。
全酒類/ビール卸売業免許は申請する地域や年度によって、抽選の結果、審査順位が販売可能件数の範囲外になってしまう可能性もあり、ある程度運の要素も絡んできます。

せっかく、幸運にも審査順位が販売可能件数の範囲内になったとしても、申請書類や事業計画が不十分な結果、免許が交付されなかった、ということが無いとは言えません。
また、弊所では、免許取得に向けたご相談対応や申請手続はもちろん、免許取得後の事業運営についてもアドバイスをさせていただくことが可能です。

酒販免許申請について、疑問に思ったことやご不安なこと、まずはご相談してみてはいかがでしょうか?
初回ご相談は無料です。

ぜひ、下記お問い合わせフォームよりご連絡ください。
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ヤチダ マサヤ
ヤチダ マサヤ
観光の力で日本を元気に、をモットーに活動している観光系行政書士です。現在は、旅行会社様、宿泊事業者様、そして外国人雇用を目指す事業者様の経営支援を中心に活動しています。正しくお金を稼いで、世の中に還元したいと考えています。趣味は、オーケストラでの演奏活動。【取扱業務】旅行業登録手続/旅館業許可申請/住宅宿泊事業届出/就労ビザ(在留資格)申請手続/酒販免許申請/その他の営業許可取得はご相談ください

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