車庫証明とは何か|制度・手続徹底解説

車庫証明とは何か|制度・手続徹底解説

新車や中古車の購入等、自動車を購入した際に必ず必要になるのが車庫証明です。
一般的にはディーラー経由で購入すると、ディーラー側で用意をしてくれることがほとんどだと思います。

しかし、例えば家族内で名義変更をしたい場合、親の車を相続して引き継いだ場合、法人の代表者が個人名義の車を法人名義に変えたい場合などは、自分で車庫証明を取得する必要が出てきます。

この記事では、車庫証明の制度について詳しく説明し、その理解を深めながら、ご自身でも車庫証明の取得手続をすることができるんだということをお伝えしております。
ぜひ、車庫証明について一緒に学んでいきましょう!

目次

車庫証明とは何か

車庫証明制度の目的

車庫証明の制度は、自動車の保管場所の確保等に関する法律という長い名前の法律で定められております。
この法律の第1条には、その法律の目的が書かれています。

法第1条
この法律は、自動車の保有者等に自動車の保管場所を確保し、道路を自動車の保管場所として使用しないよう義務づける…ことにより、道路使用の適正化、道路における危険の防止及び道路交通の円滑化を図ることを目的とする。

日本の道路は狭いこともあり、無秩序に自動車が道路に止められるような状況になってしまうと、交通上の障害が発生し、大変危険な状態となります。
そうした事態になることを防ぐために、道路を自動車の保管場所として使用することを禁止して、きちんと保管場所を確保するように定めて、道路交通の危険の防止や円滑化を目的としているのが、この法律の目的です。

車庫証明の定義

車庫証明という言葉は法律上の言葉ではなく、俗称です。
正式な名称は、法律の第4条第1項に規定されています。

条文を確認すると、

自動車の保管場所を確保していることを証する書面で政令で定めるもの

という、これまた長い名称が記載されています。

ここでいう政令は、自動車の保管場所の確保等に関する法律施行令という名称です。
この政令第2条第1項には、

政令第2条第1項
法第4条第1項の政令で定める書面は、自動車の保有者の申請により、当該申請に係る場所の位置を管轄する警察署長が、当該場所が当該申請に係る自動車につき法第3条に規定する保管場所として確保されていることを証明した書面とする。

という、またまた遠回しな言い回しでとても分かりにくくなっています。

要するに、車庫証明とは
自動車の保有者の申請によって
保管場所を管轄する警察署長
③保管場所が法律で決められた条件に適合している
ことを証明した書類ということになります。

車庫とは何か

ここでいう車庫とは、すでに何度も出てきている自動車の保管場所のことを指します。
保管場所はどこでも良いのかというと、実はそうではなく、これも法律で決まっています。
具体的には、まず法第3条を確認します。

法第3条
自動車の保有者は、道路上の場所以外の場所において、当該自動車の保管場所(自動車の使用の本拠の位置との間の距離その他の事項について政令で定める要件を備えるものに限る…。)を確保しなければならない

ここで、自動車の保管場所については政令で要件を定めるとなっています。
そこで、政令第1条を見ると、以下のように規定されています。

政令第1条
法第3条の政令で定める要件は、次の各号のすべてに該当することとする。
 当該自動車の使用の本拠の位置との間の距離が、2キロメートルを超えないものであること。
 当該自動車が法令の規定により通行することができないこととされる道路以外の道路から当該自動車を支障なく出入させ、かつ、その全体を収容することができるものであること。
 当該自動車の保有者が当該自動車の保管場所として使用する権原を有するものであること。

1~3の全てに該当していて、初めて法律上の適切な保管場所=車庫であるということが認められます。

車庫証明の手続は、自動車の保管場所がこの1~3の全てに該当していることを証明するための手続、ということが言えます。

自動車の使用の本拠の位置とは

車庫の定義の中で、自動車の使用の本拠の位置という単語が出てきました。
ここでいう自動車の使用の本拠の位置とは、自動車の保有者や管理責任者の所在地のことをいい、具体的には、自動車を運行の用に供する拠点として使用し、かつ、自動車の使用の管理をするという実態を備えている場所のことを指します。

具体的にと言いながらあまり具体的にイメージできないと思いますので、さらにかみ砕くとこういうことになります。

個人所有者の場合の自動車の使用の本拠の位置
⇒その個人所有者の居住場所(住民登録だけでなく、実態を踏まえて判断)

会社の営業車等会社所有の場合の自動車の使用の本拠の位置
⇒その営業車を利用する営業所の所在地(登記だけでなく、実態を踏まえて判断)

何となく、自動車の使用の本拠の位置という概念が伝わったでしょうか?
この概念は車庫証明の手続をする上でとても重要なものなので、ぜひ頭に入れていただきたいと思います。

どんな時に車庫証明が必要になるか

長々と、車庫証明とは何ぞやということを伝えてまいりましたが、次に、どういうときに車庫証明が必要になるのか?
ということに触れていきます。

新車の購入や一時抹消登録車の再登録(未登録自動車の新規登録)

道路運送車両法という法律では、自動車を運行のために用いる場合は自動車登録ファイルへの登録を受けなければならない、と規定されています。

自動車はメーカーが生産して、販売店に展示されている段階では未登録の状態です。
未登録の自動車を購入して使用する場合には、まず自動車の登録をしなければなりません。
これを、自動車の新規登録と言います。
この新規登録をする際に、車庫証明が必要になります。

なお、新規登録には新車の購入だけでなく、一度廃車して抹消登録した中古車を再登録する際の手続も含まれます。

中古車の購入等(登録自動車の移転登録)

自動車登録ファイルに登録されている自動車(登録自動車)が、売買によって所有者が変わるということはよくあります。
その他にも、個人名義の自動車を法人名義に変更するということも、よくあるのではないでしょうか。

こうした時には、自動車の新しい所有者は移転登録手続をすること、となっています。
この移転登録時に車庫証明が必要となります。
ただし、車庫証明が必要になるのは自動車の使用の本拠の位置が変わる場合のみで、使用の本拠の位置が変わらない場合には車庫証明は不要です。

登録事項の変更(登録自動車の変更登録)

所有者の変更以外に一定事項の変更があった場合には、登録自動車の変更登録が必要になります。
一定事項とは、道路運送車両法第12条に規定されています。
具体的には、型式、車体番号、原動機の型式、所有者の氏名・名称・住所、使用の本拠の位置に変更があったときです。

ここで所有者の氏名・名称というのが出てきますが、これは所有者の変更ではなく、個人であれば結婚や離婚、改名によって氏名が変わることがあります。
法人であれば商号変更というものがあります。
こうした変更が、該当します。

ここで一般的に多いのは、住所の変更による変更登録です。

変更登録についても移転登録と同じように、自動車の使用の本拠の位置が変更になる場合に限って、車庫証明が必要です。

軽自動車の場合

軽自動車の場合は、新規登録や移転登録、変更登録といった手続をする際に、車庫証明を提出する必要はありません。
しかし、軽自動車を新しく購入して新規に運行の用に供しようとするときは、軽自動車の保管場所の位置を管轄する警察署長に、一定事項を届け出る必要があります。

一般自動車は車庫証明の申請軽自動車は保管場所の届出、と違いを押さえておきましょう。

保管場所標章

車庫証明の申請をして、車庫証明が交付されると、一緒に保管場所標章というものも交付されます。
保管場所標章は、円形のシールで、保管場所が確保されていることを証明するものです。

保管場所標章は、原則として自動車の後面ガラスに貼り付けることが義務付けられています。
トラックのように後面ガラスが無いなど、特別な事情がある場合には、車体の左側に保管場所標章を貼り付けます。

車庫証明の取得手続に必要な書類

最後に、車庫証明の取得手続に必要な書類について確認していきます。

自動車保管場所証明申請書

自動車保管場所証明申請書が、いわゆる車庫証明申請書ということになります。
原則、申請書を2通を作成して、保管場所の位置を管轄する警察署へ提出します。
ただし、都道府県の公安委員会規則で別途定めがある場合、申請書は1通でも良いことになっています。

東京都の場合は、規則で別途定められているため、申請書は1通提出すればOKです。

保管場所標章交付申請書

保管場所標章交付申請書も、自動車保管場所証明申請書と同じく2通作成して、提出する必要があります。
別途規則による定めがあれば1通で良いのも同じです。

そして、東京都の場合は、申請書は1通でOKです。

保管場所の使用権原を有することを疎明する資料

保管場所の使用権原を有する疎明資料については、保管場所が自己所有なのか、賃貸なのかによって必要書類が異なります。

自己所有の場合

自己所有の土地や建物が保管場所になる場合は、警察が用意している保管場所使用権原疎明書面(自認書)という書面に必要事項を記入します。
土地や建物が他人との共有名義になっている場合は、共有名義人からの使用承諾書をもらう必要があります。

賃貸の場合

他人の土地や建物を借りて、そこを保管場所とする場合には、以下のいずれかの書類が必要となります。
保管場所使用承諾証明書(警察所定の書式)
②駐車場の賃貸借契約書の写し(①の書式記載事項を満たすもの)
③②が無い場合は駐車場使用料金の領収書等(①の書式記載事項を満たすもの)
④都市再生機構(UR)等の公的法人が発行する証明書等

②の賃貸借契約書の写しを提出する場合には、契約名義人と車庫証明の申請人名義が一致しているかどうか、確認するようにしてください。
基本的には、警察が用意している書式(①)に、駐車場等の所有者さんに必要事項を記入してもらうのが一番確実でしょう。

所在図

所在図は、使用の本拠の位置や保管場所付近の道路・目標となる地物を示した保管場所の所在図を提出します。

所在図は省略可能な場合もある

所在図は、以下の場合には省略することも可能です。
①使用の本拠の位置が旧自動車の使用の本拠の位置と同一で、かつ、保管場所が旧自動車の保管場所とされているとき。
②使用の本拠の位置が保管場所の位置と同一であるとき。

旧自動車とは、車庫証明の申請者が保有者である自動車で、車庫証明に関連した自動車以外のもののことを言います。

配置図

配置図は、保管場所・保管場所の周囲の建物・空地・道路を表示したもので、保管場所の平面の寸法道路の幅員を明記していることが必要です。

平面の寸法とは、駐車スペースの幅と奥行きのことです。
車庫の条件として、自動車の全体を収容することができるものであること、というものがあることから、それを確認するために記載が必要となります。
高さ制限のある駐車場の場合は、高さについても記載しておくとよいでしょう。

使用の本拠の位置が確認できる資料

使用の本拠の位置が確認できる資料については、個人の場合は居住場所等、法人の場合はその営業所等を示す資料となります。
例えば運転免許証や公共料金の領収書、消印の押された郵便物といったものが該当します。

必ずしも必要になる書類ではなく、たとえば使用者の住民票上の所在地や登記簿謄本上の所在地と、使用の本拠の位置が違うような場合に必要となります。
詳しくは、各管轄の警察署に確認してみてください。

手続に必要な料金

車庫証明の発行と、保管場所標章の発行には手数料がかかります。
この手数料は、都道府県警察によって異なりますので、事前に確認してください。

東京都の場合は、車庫証明の交付に2,100円、保管場所標章の発行に500円の、合計2,600円がかかります。

最後に

かなり細かいことまで解説をして参りましたが、この記事を読んでいただければ、きっとご自身でも車庫証明のお手続は可能だと思います。
警察で行う手続きは、平日の窓口営業時間内にする必要があります。

そして、車庫証明の場合は、申請で1回、受け取りで1回、合計2回、出向く必要があります。
おおむね、申請してから1週間程度で証明書類を受け取ることが可能です。

もし、平日に対応することが難しい場合は、私どものような行政書士をご活用いただくのも、選択肢としてご検討いただければと思います。

当事務所では、おおよそ下記の価格にて車庫証明の取得代行を承っております。

業務名 報酬(税込) 備考
車庫証明申請・受領代行
(事務所近隣エリア)
5,500円/1件
証明書交付手数料別途
築地、中央、月島、久松(中央区内全域)、愛宕(港区)、丸の内(千代田区)警察署管内
車庫証明申請・受領代行
(準近隣エリア)
9,900円/1件
証明書交付手数料別途
千代田区(丸の内警察署除く)、港区(愛宕警察署除く)、品川区、大田区、目黒区、渋谷区、新宿区、中野区、豊島区、文京区、荒川区、墨田区、江東区管内の警察署
車庫証明申請・受領代行
(その他)
14,300円/1件
証明書交付手数料別途
江戸川区、葛飾区、足立区、北区、板橋区、練馬区、杉並区、世田谷区、神奈川県川崎市川崎区、神奈川県川崎市幸区
所在図・配置図作成 5,500円 現地確認を含む
郵送事務手数料 660円 郵送納品時
対面事務手数料 3,300円 対面納品時
車庫証明申請手数料 2,100円 警察署へ納付する実費
保管場所標章手数料 500円 警察署へ納付する実費

もし、車庫証明関係でご相談したい、という場合は下記のお問い合わせフォームよりご連絡くださいませ。
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