旅行業

旅行業務取扱管理者-旅行業に必須の資格者

旅行業の登録をする際に必ず配置が必要になる旅行業務取扱管理者について、詳しく解説をしていきます。

旅行業務取扱管理者とは

旅行業務取扱管理者とは、旅行業や旅行業者代理業、旅行サービス手配業といった各営業の登録をする際に、旅行商品を販売する場所(営業所)に必ず配置しなければならない国家資格者のことです。

管理者は、旅行者と旅行商品について契約をする際に契約内容をしっかりと説明したり、旅行に関する諸サービスが確実に提供されるよう管理監督を行ったり、旅行の安全や旅行者の利便が確保されるように管理監督を行ったりするという目的で各旅行会社の営業所に配置されます。

旅行業務取扱管理者には、海外旅行を取り扱う際に必ず必要な「総合旅行業務取扱管理者」、海外旅行は扱わず国内旅行だけを扱う際に必要な「国内旅行業務取扱管理者」、そして2018年の旅行業法改正で新しく創設された「地域限定旅行業務取扱管理者」の3種類の資格が存在します。

地域限定の管理者は、地域限定の旅行商品を取り扱う場合にだけ選任することが出来ます。

旅行業務取扱管理者になるためには

旅行業務取扱管理者地域は、地域限定、国内、総合ともに年に1度実施される筆記試験を受験して合格しなければなりません。

管理者試験は、それぞれ別の団体が受付窓口になっています。

地域限定旅行業務取扱管理者試験は観光庁が窓口です。
国内旅行業務取扱管理者試験は全国旅行業協会(ANTA)が、総合旅行業務取扱管理者試験は日本旅行業協会(JATA)が、それぞれ受付窓口となっています。

受験科目は、
法令関係
約款関係
国内旅行実務
海外旅行実務
で、海外旅行実務は総合管理者のみの科目です。

1.国内管理者試験の科目免除

Aパターン:国内旅行実務免除

前年度の国内旅行業務取扱管理者試験で科目合格をしている
②旅行会社に3年以上勤務している人を対象に実施される「国内旅行業務取扱管理者研修」を修了している(前年度または本年度)

Bパターン:法令関係免除

地域限定旅行業務取扱管理者試験に合格している

Cパターン:法令関係及び国内旅行実務免除

①地域限定旅行業務取扱管理者試験に合格していて、かつ、国内旅行業務取扱管理者研修を修了している(前年度または本年度)

2.総合管理者試験の科目免除

Aパターン:法令関係免除

地域限定旅行業務取扱管理者試験に合格している

Bパターン:国内旅行実務免除

前年度の総合旅行業務取扱管理者試験で科目合格している
②「総合旅行業務取扱管理者研修」の「国内旅行実務」を修了している(前年度または本年度)

Cパターン:海外旅行実務免除

前年度の総合旅行業務取扱管理者試験で科目合格している
②「総合旅行業務取扱管理者研修」の「海外旅行実務」を修了している(前年度または本年度)

Dパターン:法令関係及び国内旅行実務免除

国内旅行業務取扱管理者試験に合格している
地域限定旅行業務取扱管理者試験に合格していて、かつ総合旅行業務取扱管理者研修の国内旅行実務を修了している

Eパターン:法令関係及び海外旅行実務免除

地域限定旅行業務取扱管理者試験に合格していて、かつ、前年度の総合旅行業務取扱管理者試験の「海外旅行実務」を科目合格している
地域限定旅行業務取扱管理者試験に合格していて、かつ総合旅行業務取扱管理者研修の「海外旅行実務」を修了している

Fパターン:国内旅行実務及び海外旅行実務免除

総合旅行業務取扱管理者研修の「国内旅行実務」と「海外旅行実務」を修了している
②前年度の総合旅行業務取扱管理者試験の国内旅行実務と海外旅行実務を科目合格している
③前年度の総合旅行業務取扱管理者試験の国内旅行実務を科目合格していて、かつ、総合旅行業務取扱管理者研修の海外旅行実務を修了している
④前年度の総合旅行業務取扱管理者試験の海外旅行実務を科目合格していて、かつ、総合旅行業務取扱管理者研修の国内旅行実務を修了している

Gパターン:法令関係及び国内旅行実務及び海外旅行実務免除

国内旅行業務取扱管理者試験に合格していて、かつ、総合旅行業務取扱管理者研修の海外旅行実務を修了している
国内旅行業務取扱管理者試験に合格していて、かつ、前年度の総合旅行業務取扱管理者試験の海外旅行実務を科目合格している
地域限定旅行業務取扱管理者試験に合格していて、かつ、前年度の総合旅行業務取扱管理者試験の国内旅行実務と海外旅行実務を科目合格している
地域限定旅行業務取扱管理者試験に合格していて、かつ、総合旅行業務取扱管理者研修の「国内旅行実務」と「海外旅行実務」を修了している
地域限定旅行業務取扱管理者試験に合格していて、かつ、前年度の総合旅行業務取扱管理者試験の国内旅行実務を科目合格していて、かつ、総合旅行業務取扱管理者研修の海外旅行実務を修了している
地域限定旅行業務取扱管理者試験に合格していて、かつ、前年度の総合旅行業務取扱管理者試験の海外旅行実務を科目合格していて、かつ、総合旅行業務取扱管理者研修の国内旅行実務を修了している

詳しくは、各旅行業協会のホームページをご覧ください。

旅行業務取扱管理者が行う職務

旅行業務取扱管理者は、旅行業法上行わなければならない仕事が決められています。

ざっくりと説明すると、下記のとおりです。

①旅行業務に関する料金の掲示
②旅行業約款の掲示と備え置き
③旅行者との契約に関して、契約前の取引条件の説明と契約後の書面交付
④旅行商品の広告宣伝に関する管理監督
⑤旅行者が円滑かつ安全に旅行サービスを受けるための旅程管理
⑥旅行に関する苦情の処理
⑦契約書等の書類の保管

旅行業務取扱管理者の選任

旅行会社は、旅行商品を取り扱う営業所には必ず1人以上の旅行業務取扱管理者を選任しなければなりません。
また、従業員が10人以上いる営業所では最低2名、選任しなければならないとされています従業員が1人しかいない営業所の場合は、その1人が必ず管理者でなければなりません。
その他にも、管理者は1つの営業所に専属しなければならず、複数の営業所で掛け持ちをすることはできません。
ただし、2018年の旅行業法改正で、地域限定旅行業者の場合は一定の条件の下で管理者の兼任も可能となっています。
また、管理者本人が欠格事由に該当していないことも重要です。

営業所で扱う旅行商品が国内旅行のみの場合は、国内・総合どちらの管理者でも問題ありません。
海外旅行を取り扱う場合は、総合の管理者が必ずいなければなりません。
地域限定旅行業務取扱管理者は、地域限定旅行業務のみを扱う事務所で選任されることができます。
なので、たとえば全ての旅行業務を取り扱うことのできる第1種旅行業であっても、営業所で海外旅行を取り扱わない場合は国内管理者のみの選任でもよいのです。

2018年の旅行業法改正の影響

2018年の1月に、旅行業法の改正が行われて、様々な規制緩和と規制強化が行われました。
旅行業務取扱管理者に関する内容については、下記のとおりです。

地域限定旅行業務取扱管理者の創設

従来、「総合」と「国内」の2種類だけであったところに「地域限定」の管理者を創設することになりました。
これは、「地域限定旅行業」という、金銭面での旅行業への参入障壁を下げた旅行業種別があるのですが、従前の「総合」「国内」管理者を確保することが難しいという現状から、普及が進んでおりませんでした。

そこで、新たに「地域限定」の管理者制度を創設することで、地域限定旅行業を普及させていこうという狙いがあると考えられます。
これにより、地方のホテルや旅館などの宿泊施設が自ら旅行業の登録をし、着地型の観光商品を企画・販売することがこれからのトレンドになっていくと思われます。

地域限定旅行業者の営業所での兼任解禁

原則、旅行業務取扱管理者は、1つの営業所で専任常勤となることが求められているので、2以上の営業所を掛け持ちすることが出来ません。

しかし、
地域限定旅行業者で、
②兼任予定の営業所同士が40km以内の距離にあり、
③兼任予定の営業所の旅行取引額の合計が1億円以下
という条件を全てクリアする場合にのみ、旅行業務取扱管理者を複数営業所で兼任させることが可能になりました。

定期講習の受講義務

旅行業務取扱管理者の資格は、一度試験に合格すると、その後更新などは存在せず、生涯有効な資格です。
また、これまで、法律上旅行会社は管理者の職務上必要な知識や能力を向上させるために研修を受けさせることが努力義務(強制はしないけど、善処してください!という意味)となっていました。

2018年改正法では、5年ごとに、これらの研修を受けさせることが義務になっています。義務を果たさない場合、観光庁長官により、研修を受けさせる義務を果たすように勧告・命令が下されますが、命令に従わない場合は30万円以下の罰金が科せられます。
また、2020年4月1日から、この研修を修了していない管理者を選任していない場合、旅行業の更新や新規登録を受け付けてもらえなくなります。
※新規登録で、試験合格後5年以内の管理者を選任する場合は、除きます。

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ヤチダ マサヤ
ヤチダ マサヤ
観光の力で日本を元気に、をモットーに活動している観光系行政書士です。現在は、旅行会社様、宿泊事業者様、そして外国人雇用を目指す事業者様の経営支援を中心に活動しています。正しくお金を稼いで、世の中に還元したいと考えています。趣味は、オーケストラでの演奏活動。【取扱業務】旅行業登録手続/旅館業許可申請/住宅宿泊事業届出/就労ビザ(在留資格)申請手続/酒販免許申請/その他の営業許可取得はご相談ください

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